浅草花やしきは、浅草寺本堂から西へ歩いて数分、寺の裏路地と浅草六区の繁華街に挟まれた小さな遊園地です。自らを「日本最古の遊園地」と名乗り、その歴史は1853年(嘉永6年)に開かれた花園までさかのぼります。現役では日本最古のローラーコースターも走っています。入園料1,600円を払ってのりものごとに券を買うか、ワンデーパス4,600円で一度に済ませるか、の二択です。
チケットと料金
花やしきの料金は二段構えです。ゲートを通るための入園料と、中で乗るのりもの代。ブログや大手予約サイトの中には、いまだに旧料金の入園料1,200円を載せているところもあります。現在の料金は次のとおりです。
| 券種 | 大人(中学生〜64歳) | 小人(5歳〜小学生) | シニア(65歳以上) | 0〜4歳 |
|---|---|---|---|---|
| 入園券のみ | 1,600円 | 800円 | 800円 | 無料 |
| ワンデーパス(入園+のりもの乗り放題) | 4,600円 | 3,400円 | 3,400円 | 無料(一部有料) |
| 乗り放題パス(のりもののみ) | 3,000円 | 2,600円 | 2,600円 | — |
| のりもの券 | 1枚100円、11枚綴り1,000円 | 同じ | 同じ | — |
年齢区分は4月1日に切り替わる学年が基準です。12歳でもまだ小学生なら小人料金になります。英語版ページにある「13〜64歳」「5〜12歳」という表記は、あくまで大まかな訳にすぎません。
どれを買うべき? のりものは1回5枚か8枚、つまり1枚ずつ買えば500円か800円です。目玉の4つ(ローラーコースター、ディスク・オー、リトルスター、お化け屋敷)はどれも8枚。合計32枚で、1,000円の綴りを3冊買えば足ります。つまり目玉4つだけで、乗り放題パス3,000円とほぼ同額。5つ目に何か乗れば、パスのほうが得になります。子どもの場合は、小さなのりもの6回目あたりから元が取れます。
ワンデーパスは入園料と乗り放題パスを足しただけ(1,600円+3,000円=4,600円)なので、窓口で買っても割引はありません。利点は会計が一度で済むことだけです。どれくらい乗るか決めかねているなら、まず入園券だけ買って中で決めましょう。園内のチケットハウスでは、待ち列の様子を見てから乗り放題パスを買えます。余ったのりもの券に有効期限はありませんが、次回使うにはまた入園料が必要です。
どのパスでもカバーされないものもあります。パンダカーは200円、ゲームプラザは100円からで、どちらも現金のみ。マルハナ縁日の縁日ゲームは500円からです。園内にATMや両替所はなく、あるのは両替機だけ。入口、インフォメーション、チケットハウス、券売機ではクレジットカード、電子マネー、QR決済が使えます。
花やしきのチケットの買い方
入口の窓口で。 いちばん簡単で、料金もほかと変わりません。週末の朝は窓口に列ができるので、前売りを買う一番の理由はこの列です。当日の窓口販売と通常の乗り放題パスの販売は17:00で終了します。窓口で買ったチケットは払い戻しできません。
公式Webチケット(ticket.hanayashiki.net)では、入園券(1,600円)とワンデーパス(4,600円)を窓口とまったく同じ料金で販売しています。メリットは割引ではなく、窓口に並ばずに済むこと。当日でも購入でき、前日23:59までなら自分で手続きして全額返金を受けられます。手元に置いておくチケットとしては、もっとも融通がききます。直接買うなら、私たちはこれを選びます。花やしきのチケット販売については花やしき公式のレビューで詳しく書いています。
Klookでは日付指定のチケットとして、入園券のみと入園+ワンデーパスの2種類を販売しています。小人・シニア料金もあり、4歳までは無料。価格はその日の為替レートで公式の1,600円・4,600円に近く、24時間前までなら無料でキャンセルできます。東京の予約をすでにKlookアプリでまとめている人や、自国通貨で払いたい人に向いています。返金は花やしきではなくKlookを通して行います。詳しくはKlookのレビューをどうぞ。
KKdayには入園券のみとワンデーパス付きの2種類があり、QRコードで入園、入園時間枠の指定があります。商品説明では開園年が「1835年」と誤って書かれています。返金の仕組みはKKdayのレビューにまとめました。楽天トラベル 観光体験では入園+乗り放題パスを当日予約つきで販売しています。私たちが確認したときは、一覧のカードと商品ページで価格表示が食い違っていたので、決済画面の合計額を公式の4,600円と見比べてください(楽天のレビュー)。
GetYourGuideとViatorにも花やしきのページはありますが、どちらも入園券は販売していません。並んでいるのは周辺の人力車や街歩きツアーです。
のりものと必要な券の枚数
にんにんパークを含めると、有料ののりものは18種類。ほかに無料で楽しめるものもあります。身長は最低基準です。「0歳から」は付き添いと一緒なら赤ちゃんも乗れるという意味です。
| のりもの | 券の枚数 | 身長・年齢の条件 | 雨天運行 |
|---|---|---|---|
| ローラーコースター | 8 | 110cm以上、65歳以上は不可 | ○ |
| ディスク・オー | 8 | 120cm以上、65歳以上は不可 | × |
| リトルスター | 8 | 130cm以上、65歳以上は不可 | ○ |
| お化け屋敷(ウォークスルー) | 8 | 5歳から1人で可。4歳までは中学生以上の付き添いが必要 | ○ |
| スリラーカー | 5 | 0歳から | ○ |
| ビックリハウス | 5 | 2歳から | ○ |
| シラサギ | 5 | 90cm以上。120cm未満は付き添いが必要 | ○ |
| メリーゴーランド | 5 | 0歳から | ○ |
| スワン | 5 | 0歳から | × |
| スカイシップ | 5 | 0歳から | × |
| ぴょんぴょん | 5 | 2歳から。2〜4歳は16歳以上の付き添いが必要 | ○ |
| ヘリコプター | 5 | 2歳から。7歳以下は付き添いが必要 | ○ |
| ちびっ子タクシー | 5 | 0歳から | ○ |
| カーニバル | 5 | 2歳から | ○ |
| マルハナ剣術道場 | 5 | 2歳から | ○ |
| パノラマ時間旅行 | 5 | 0歳から | ○ |
| スクープカメラマン | 5 | 2歳から | ○ |
| にんにんパーク | 子ども・大人それぞれ5 | 生後6か月〜小学生 | ○ |
| パンダカー | 現金200円 | 制限なし | — |
スリラーカーは「洋風お化け屋敷」をうたうライドですが、花やしき自身が「怖いというより面白い」と認めています。10代の子たちが思わずしがみつき合うのは、歩いて回るお化け屋敷のほうです。パンダカーは、園内の通路をのんびり歩くパンダ型の乗り物。花やしきの登録商標で、小さな子どもたちに大人気です。
入園料だけで楽しめるのが、ステージショー(写真撮影はおおむね可、雨天でも実施)と屋上のはなそらガーデン。花やしきいわく、ここからは浅草寺から東京スカイツリーまでをまっすぐ見渡せます。
古い写真に写っているのに、今はもうないのりものもあります。かつての展望塔Beeタワーは2016年に引退し、その跡地には現在、浅草花劇場が建っています。
1953年生まれのローラーコースター

ローラーコースターは1953年(昭和28年)生まれ。花やしきは「日本現存最古のコースター」と紹介しています。日本で最初に造られたわけでも、世界最古でもありませんが、現役で走っているものとしては最古です。最高速度は時速42km。数字だけ聞くとおとなしそうですが、線路がまわりの建物や屋根すれすれを走ると気づけば印象が変わります。スリルの正体はスピードではなく、この近さです。
券8枚、またはパスで乗れます。身長110cm以上が条件で、65歳以上の方は乗れません。コースターが目当てなら、園内が混み出す前にまず最初に乗りましょう。
赤ちゃんと4歳以下:ルールと例外
「4歳まで無料」は本当ですが、条件つきです。
- 入園料は0〜4歳が無料。
- ほとんどののりものは4歳以下なら無料ですが、4歳までの子は中学生以上の人と一緒に乗る必要があり、その人は料金がかかります(英語版ページには「4歳未満」とありますが、日本語の規定は「4歳まで」です)。
- 4歳以下でも有料: ローラーコースター、ディスク・オー、リトルスター。身長を満たす小さな子が乗る場合です。
- にんにんパーク(屋内の子ども向け忍者アスレチック)は生後6か月〜2歳が無料。3歳からは子どもが券5枚、さらに20歳以上の保護者の同伴が必須で、保護者も券5枚が必要です。乗り放題パスで入れるのは1回のみです。
- のりもの別の付き添いルール: ぴょんぴょんは2〜4歳に16歳以上の付き添い、ヘリコプターは7歳以下に付き添い、シラサギは120cm未満に付き添いが必要です。付き添われる子どもは無料です。
にんにんパークは1回30分、定員50人。開園後に入口前で整理券が先着順で配られます。土日祝の初回は10:20。にんにんパークが目的なら、開園時刻に着くようにしましょう。
赤ちゃん連れへの配慮も行き届いています。おむつ替えスペースが7か所、授乳室は3階のキッズスペースとマリオンクレープ前にあり、インフォメーションではミルク用のお湯がもらえます(粉ミルクの販売はありません)。キッズスペースの自販機ではおむつも買えます。キッズスペースは靴を脱いで休める屋内の休憩所で、生後18か月までの赤ちゃん向けコーナーもあります。ベビーカーの貸し出しはありませんが、たたんだベビーカーはインフォメーションで預かってもらえます。周辺の情報は子連れ浅草ガイドにまとめています。
営業時間・休園日・雨の日
通常の営業時間は10:00〜18:00で、最終入園は閉園30分前。ほかの施設に比べて変更の多い遊園地です。12月の一部は短縮営業になり、夏のイベント期間は夜まで延長されます。営業日も不規則で、定休日はありません。その代わり、毎月1〜2回の火曜日がメンテナンス休園になり、7月上旬と12月上旬にはまとまった休園期間があります。一日の予定を組む前に、必ず公式の営業時間カレンダーで行く日を確認してください。

夏は多くの日で21:00まで営業しており、隅田川花火大会の日(例年7月最終土曜日)も夜まで開いています。ただし園内から花火が見えるかどうかは「見えるかもしれませんが、見えないかもしれません」と、花やしき自身が率直に断っています。秋のハロウィンイベントや夜のホラー企画といった季節のイベントは、公式サイトのニュースで告知されます。
雨の日でも、思ったほど休止にはなりません。スワン、スカイシップ、ディスク・オー以外は基本的に運行します(屋外の座席は濡れます)。お化け屋敷、にんにんパーク、キッズスペース、ステージショーは雨の午前中にぴったりです。再入園も可能。出口でスタッフに再入園券をもらい、食事を済ませたら入口で見せれば戻れます。入口は浅草寺側の浅草門ひとつだけ。出口は国際通り側なので、帰りは六区方面に出ると考えておきましょう。駐車場はありません。コインロッカーは浅草門の横、ディスク・オーの下、コースター乗り場の横、リトルスター近くの出口付近にあります。
花園から遊園地へ
「花やしき」の名のとおり、始まりは花の屋敷でした。1853年(嘉永6年)、植木職人の森田六三郎が浅草寺から借り受けた土地に、牡丹と菊細工の花園を開いたのが起源です。1856年には80種を超える大輪の菊を見せていました。1872年ごろには遊具と珍しい鳥が加わり、1886年には動物の展示が始まります。1923年には5頭のトラの赤ちゃんが生まれましたが、同じ年の関東大震災で動物たちは大きな被害を受けました。大正天皇がお忍びで訪れたとも伝えられています。
1944年、戦時中の建物疎開命令で木造の建物はすべて取り壊され、閉園。1947年に遊園地として復活し、1949年に再建されました。当時は入園無料で、初期ののりものにはビックリハウスやミニ列車、射的などがありました。1953年にローラーコースター、1960年には高さ約40mの展望塔(人工衛星塔)が登場。当時は日本一の高さで、のちにBeeタワーと改称されます。入園が有料になったのは1985年2月のことで、風営法の改正に対応するためでした。
現在は、バンダイナムコグループの株式会社花やしきが運営しています。同社はBeeタワー跡地の浅草花劇場も運営しています。8月8日は「花やしきの日」として正式に登録されています。
大人だけでも楽しめる?
絶叫マシン好きには、正直おすすめしません。大型テーマパークと張り合えるものはなく、コースターの最高速度も時速42kmです。それ以外のほとんどの人には、「短時間なら楽しめる」と答えます。1,600円と数枚ののりもの券で、浅草の屋根をかすめて走る現役最古のコースター、笑いと悲鳴が半々のお化け屋敷、無料の屋上展望とステージショーが楽しめます。空間そのものが昭和レトロそのものです。
子ども連れでない大人へのアドバイスは、ワンデーパスを買わないこと。入園券を買い、のりもの券はその都度買いましょう。1,000円の綴り2冊(22枚)で、コースターとお化け屋敷、5枚ののりもの1つに乗れて、合計3,600円です。65歳以上の方はコースター、ディスク・オー、リトルスターに乗れないので、シニアのワンデーパスはまず元が取れません。秋には着物姿で入園無料になるキャンペーンが行われたこともあります。その日に着物レンタルを予定しているなら、ニュースをチェックしてみてください。
10歳くらいまでの子ども連れなら、浅草でもっとも満足度の高い数時間になるはずで、ワンデーパスを選ぶ価値があります。
花やしきを中心にした半日プラン
午前から昼過ぎまで過ごすなら、私たちはこう回ります。早めに動いて、寺と遊園地の両方で混雑を避けるのがポイントです。
- 8:30 — 混雑前の浅草寺へ。 本堂は6:00(10月〜3月は6:30)に開き、境内がいちばん静かなのは朝の早い時間です。ルートは浅草寺ガイドで紹介しています。
- 9:50 — 浅草寺側の浅草門に並ぶ。 Webチケットをスマホに用意しておきます。まずコースター、次に屋上庭園へ。小さな子ども連れなら、真っ先ににんにんパークの整理券をもらいに行きましょう。
- 12:00 — ランチ。 園内は飲食物の持ち込みが可能です。外で食べるなら再入園券をもらって出ましょう。浅草寺の西参道では花月堂のジャンボめろんぱんが買えますし、歩いて2〜3分のホッピー通りの居酒屋は昼ごろから開く店が多くあります。座って食べられる店は浅草グルメガイドでどうぞ。
- 13:30 — 浅草らしい体験をもうひとつ。 30分の人力車コースなら赤ちゃんをひざに乗せて参加できます。箸づくり体験は1時間弱で、作った箸は持ち帰れます。まだ元気が有り余っている子には、2時間の子ども向け忍者体験がおすすめです。
料金は各予約サイトに表示される最安プランの米ドル表示で、日付や為替で変わります。最終的な金額は予約ページでご確認ください。 料金確認日: 2026年9月28日.
- 夕方 — 無料の展望スポットへ。 雷門の向かいにある浅草文化観光センターの8階テラスは22:00まで開いていて、スカイツリーが正面に見えます。
まだ体力が残っていれば、スカイツリーとすみだ水族館は電車ですぐです。浅草周辺ガイドや、長めのコースを紹介した人力車ガイドもあわせてどうぞ。



